プライバシー保護

音声匿名化とは

声には、話した内容だけでなく、それを誰が話したのかという情報も含まれています。さらに、性別や年齢、感情、健康状態といった話者の属性まで推定できることが知られています。

そのため、音声を公開・共有したり保存したりする際に、誰が話した音声なのかを明かしたくない場合や、個人的な属性を悟られたくない場合があります。音声匿名化(Voice Anonymization)は、こうした場面で音声から話者の情報を取り除くための技術であり、幅広い応用が期待されています。

音声匿名化の仕組み

音声匿名化システムは、入力された音声を、別の人が同じ内容を話しているように聞こえる音声へ変換する処理を行います。

ここで求められることは2つあります。ひとつは、変換後の音声から元の話者にたどり着けないというプライバシー保護の強さであり、もうひとつは、変換後の音声をさまざまな用途に利活用できることです。

性能の評価

音声匿名化システムのプライバシー保護性能を評価するには、「匿名化された音声から元の話者を言い当てられてしまわないか」を実際に試す必要があります。この評価には、入力された音声が誰のものかを判定する話者照合の技術が応用されています。匿名化された音声に対して話者照合を行い、元の話者をどれだけ言い当てられるかを測ることで、匿名化がどの程度有効に機能しているかを確かめます。

研究室での取り組み

音声匿名化システムのプライバシー保護性能を信頼できる形で評価するためには、匿名化された音声から元の話者をより正確に言い当てる攻撃手法を開発する必要があります。攻撃する側の性能が不十分なままでは、実際には守られていない音声を安全だと見誤ってしまうためです。

音声の個人性を「守る」技術と「見抜く」技術は表裏一体の関係にあります。当研究室では話者照合とあわせて音声匿名化の評価方法の研究に取り組み、安全な音声匿名化システムの実現を目指しています。