話者照合
話者照合とは
声には、声帯や声道の形といった身体的な特徴や話し方の癖など、その人ならではの個人性が現れます。話者照合(Speaker Verification)は、この「声の個人性」に着目した生体認証技術であり、入力された音声が、あらかじめ登録された本人によって発声されたものかどうかを判定します。
話者照合はマイクさえあれば非接触・遠隔で利用できることから、スマートスピーカーでの話者の切り替え、電話やコールセンターでの本人確認など、幅広い場面での応用が期待されています。
話者照合の仕組み
話者照合システムは、大きく「登録」と「照合」の2つの段階から構成されます。
登録時 利用者の音声から話者の特徴を抽出し、システムに登録します。
照合時 入力された音声から同じように話者の特徴を抽出し、登録されたものとの類似度を計算します。
判定 類似度がしきい値を超えれば本人として受理し、超えなければ他人として棄却します。
近年は、大量の話者を識別するように学習した深層ニューラルネットワークの中間表現を話者埋め込みとして用いる手法(x-vector や ECAPA-TDNN など)が主流となってきています。 深層学習の発展とともに照合精度は飛躍的に向上し、人間の聞き分け能力を超えるとも言われています。
研究室での取り組み
当研究室では、深層学習に基づく話者埋め込みを用いたより高精度で頑健な話者照合の実現に取り組んでいます。また、音声合成や声変換技術の発展により、本人そっくりの音声を人工的に作り出して話者照合システムを欺く「なりすまし音声攻撃」が現実的な脅威となっており、攻撃に対するシステムの脆弱性の分析や、なりすまし音声検出と組み合わせた安全な認証システムの研究を進めています。